よく行く古本屋兼中古CD屋がある。
主にクラシックのCDを発掘しに行くのだが、
おそらく、この店にCDを発掘しに来るクラシックファンは、僕一人だと思われる。
入荷する事はあっても、売れている様子が全く無い。
そしてありがたい事に、
この店はクラシックCDの価値をあまりよく分かっていない。
欲しい人に売ったら1000円は下らないというモノが200円で売ってたりする。
たまにもらえる50円の割引券を使えば150円だ。
約半年前、その店の上の棚に気になるものを見つけた。
一辺が30cmの写真のアルバムぐらいの大きさで、色は白の無地。
プレミアの付いたCDボックスが列んでいるコーナーだったので、
ジャニーズとかEXILEの初回限定盤豪華ブックレット付きCDボックスの類だとばかり思っていた。
何の気無しにそれをヒョイと引き出してみると、
浮き上がる「KARAJAN」という文字。
カラヤン!
カラヤンといえばクラシック史上最高の指揮者のうちの一人に
間違いなく挙げられるであろう超有名指揮者。
CDが録音できる長さを60分ではなく
「俺が振るベートーベンの第九が入る長さにしてくれ」
と鶴の一声で74分にさせた人物としても知られている。
そんなカラヤンのCDボックスだったとは・・・
値札には5500円と記してある。
僕はこれを感覚的に「安い」と思った。
中身については訳あって言えないが、
ヤフオクにでも出せば間違いなく1万円は超えるであろう代物。
さっそくうちに帰って調べてみたが、
廃盤(会社も倒産?)らしく、どうググっても調べられなかった。
しかし、レア中のレアであることは間違いない。
買うか、買うまいか・・・
買ってネットでさばけばすくなくとも倍以上になると思う・・・
しかし調べようがないからその根拠が無い・・・
でもそうこうしてるうちに他の誰かが見付けて買って行くかも・・・
なんてことを約半年もの間やっていた。
そして先日、店を訪れCDを物色し終わり、いつもと同じように上の棚に目をやると、
レアCDが無い!
しまった!やはり売れてしまったか・・・
と、うなだれ、ガッカリと頭を垂れると、上の棚にあったはずのレアCDが下の棚にあるではないか。
おぉ、あった!
とそのCDを手に取ってみると、5500と記された値札の上にもう1枚の値札が張り付けてあった。
「1650」
一瞬、頭ん中に「?」がズラリと並んだが、すぐに正気をとりもどし、
一目散に店を出て向かいのコンビニATMへ。
安いCDを物色しに来ただけだったので、財布には1000円しか無かったのだ。
店に戻り、TSUTAYAでもらって残してあった、この店で使える200円割引券を使って、
結局1450円で購入。
店としては単純に売れないから値を下げたのだろうが、
ありえない値段である。
待ったかいがあった。完全に勝ちだ。
うちに帰って、早速写真のアルバムのような箱を開けてみた。
予想以上に素晴らしい品だ。
普通に2万円で売れてもおかしくない。
いやそれ以上もありえるかも!?
なんて皮算用をしていると、
そのCDはますます輝きを増し、
売るのが惜しく、もったいなくなってきた。
うん、完全に気に入ってしまった。
今では本棚の上に家宝として、凛と飾ってあります。
そのCD?まだ一度も聴いてません。

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