義母が脳出血の再発で入院して数日たちました。
脳にたまった血と水を管を通して外に出すための手術は無事成功し、途中38度の熱が出ましたが、今は比較的安定しています。
入院回数が増えるたび、私達家族は段々と落ち着いて行動出来るようになっていきました。
特に義父は、義母が倒れるといつもうろたえて、オロオロするか泣き言を言うばかりでしたが、今回はそんな風もなく、落ち着いて現実を受け入れていました。
「こう何回も悪いことばかり続くと、さすがに慣れてくるわ…」
義父は小さい声で言いました。
義父の言う悪いこととは、義母の度重なる病気やお店の経営難による資金繰りの苦労、自身の病気の事を指しています。
でもねお義父さん、悪いことばかりじゃないはずだよ。家族みんなで協力出来る喜び、悩みを打ち明け相談出来る喜び、貧しくても慎ましやかにシンプルに生きられる喜び、孤独ではない人生…お義父さんには今は実感出来なくても、潜在意識化ではきっとわかっているはずだよ。
人の話を聞こうとせず、自分の主張ばかり一方的に相手に押しつけて、家族ですら信用しようとはしなかったあの義父が、彼言うところの「悪い事ばかり続いてきた」この数年で徐々に感じが変わってきたんだから。
もう居丈高な態度の義父はいません。不安で押しつぶされそうな心を抱えて泣いている子供のよう。だけど人生のピンチに遭遇した時、ふとあたりを見ると、自分は独りではないと気づき、家族の愛情が身に染みて感じたはずです。表情が以前とはあきらかに違って優しくなりました。
私はまさぼーと結婚し、この家に来てからというもの、いろんな気づきをまさぼーや義父母や義妹夫婦から戴きました。
今までの自己中な生き方では到底わかりっこない気づきでした。
長年様々な理由から心が離れ離れになっていた家族が、愛と信頼の力でひとつになった瞬間に立ち会うことが出来た時、私は感動しました。
女性は結婚して実家を離れ、新しい別の家族の一員となります。
生い立ちも価値観もルールも違う他人だった家に入る事で、女性にしか出来ない経験をたくさん積む機会を与えられます。
今までの自分に足りなかったものが、新しい家庭で生活していくうちに見えてきます。
まさぼーが小さい頃から通ってきた道を、ほんの少しだけど私は後追いでたどってきました。まさぼーが見てきた光景、感じた喜び、悲しみ、家族との関係などまさぼーのフィルターを通して私は体験してきました。
確執のあった家族…。
病気や店の経営難というピンチを迎えたその先にあったのは、余計なものが削ぎ落とされた極めてシンプルなもの、『愛』だけが残りました。
私は和歌山のこの家に来て、揺るぎない愛を知る幸運に恵まれたのでした…。
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ありがとうございます。

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