壊れかけのテープレコーダーズ Official Web Site
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小森清貴 solo Album『カトレア』発売中 詳細

小森清貴 Twitter @kiyotakakomori
連絡先 kiyotakakomoriofficial@gmail.com
2013/3/30 | 投稿者: komori

新宿で若松孝二監督の遺作「千年の愉楽」を観た。まだうまく作品を消化しきれず言葉が出てこないのだけれども 凄い映画だった。そして今回の作品を観て、数年前に観た前作「キャタピラー」をようやく理解出来た気がした。「キャタピラー」もそうだったし「千年の愉楽」も驚くほど「何も起こらない」映画だと思った。予めクライマックスの設置されたカタルシスのストーリーに反するかの如く、どこへも向かわぬ映画。だけどれども、ただ確かにそこにある映画。そんな作品だった。

生まれては死に、死んではまた生まれ…延々と続いていく、私達の間逃れ得ぬ業。それは人間の性の悲しいまでの重さでありながら、同時に生命の強さ、そのものでもあると言える、と作品を観ていて強く感じた。

若松監督が最後の最後に今回の作品のようなテーマの境地に辿り着いたというのも興味深い。テーマはずばり「血」だな、と思った。社会のグローバル化とSNSによるネットワークの拡大にまるで反するかのような、極端に狭い世界のことを扱っている。だけれどもそれは個人が個人をキャラクター化し分散させることが可能な現代の社会において、再び個を見つめ直すことを促すような、若松監督のメッセージと受け取られた。

「浅間山荘〜」のあとに「キャタピラー」、そして今回の「千年の愉楽」へと連なる流れにも、はっとさせられた。時代性、共同性は徐々に薄れ、最後の最後、裸の、剥き出しの生命に訴えかえられるような作品だった。

とにかく、僕がここで拙文を綴るのは無視し、とにかく作品を観てみることを推奨します!

そして、今一度、この偉大なる映画監督に、合掌。






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2013/3/24 | 投稿者: komori

3/20、「踊り場から、ずっと/羽があれば」がいよいよ本格的に発売となった。発売日はお世話になってる新宿タワーレコードへご挨拶に。ここの玉置さん(たまこさん、イベント「あおいろ反抗ナイト」も主催)は『聴こえる』の頃からずーっと応援し続けてくれてる方。ここ最近「継続」ってことに関して思い悩んだりしてしまう時が多いのだけれど、彼女みたいな人がいてくれるのは本当に励みになる。やっぱり続けてる人間の強さ、が好きだと思った。

久し振りにタワーに訪れたので色々と視聴機を物色したのだが、再三ツイッターでも言ってるけれど、デヴィッド・ボウイの新譜「The Next Day」がぶっちぎりで良かった。最初「HEROS」をパロったジャケには「?」だったが、今はもうそのセンスも最高にクール。皮肉効いてて、遊び心満載で、そんでもって馬鹿みたい、でも最後にはちゃんと希望がある。ここ重要。やぱっり人間の営みの全ては未来へ向かう建設的なものであって欲しいと思う。で、話戻るとそこはやぱっり継続と繋がる気もする。

若かりし自身の顔を埋め尽くした空白と「The Next Day」という素っ気無いフォントの事務的な文字に勇気付けられる今日この頃です。

にくいタイトルだな。そして最高のタイトル。

音楽的な部分に関してはまた後日。

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2013/3/19 | 投稿者: komori

ここ最近は立て続けに刺激的なライヴを観た。

3/13
スターパインズカフェにて共演したテニスコーツの演奏が素晴らしかった。あの広いキャパで完全アンプラグド、ガットギターですらマイクで拾わず。しかし、彼等が発する音は誰よりも大きな音だった。比喩ではなく。それは、僕等が音を聴こうと耳を傾けていただからだと思う。そして、そいう状態に、人を開かせる音楽だった、テニスコーツは。

3/15
O-EASTにてOGRE YOU ASSHOLE観る。圧巻。今日本で一番先鋭的な音楽をやっているグループだと思う。いつの時代も最先端の音楽とはポップとアヴァンギャルドが同居している。理想のグループ。

3/16
MUSIC ORGで割礼と、今度小倉のイベントのオーガナイズしてくれてる魚座を観に。魚座、演奏は結構ラフな演奏、今回は鍵盤もいなかったのだが、「曲の良さ」といものが、どんな条件、状況をも覆い尽くして前に出る。割礼はどこでも割礼の音。これは並大抵のことではない。いつか無力無善寺で割礼観たい。

3/18
Shpw Boatでマヘル・シャラル・ハシュ・バズ観る。ポップってこれだよなあ、と改めて。工藤さんの音楽は他者の介入を大きく容認している。誰をも、受け入れ、開かれた状態の音楽。それがマヘルという流動的な共同体を形成してる。工藤さんの紡ぐ音からは、音楽が音楽になる前の、まだ未分化なままでの、原初的な声が聴こえる。あと、やっぱりメロディーがどれも本当に印象に残る。5/24、壊れかけのテープレコーダーズ企画at二万電圧にマヘル出ます!よろしくです。



最近また「ポップ」ということについて考えています。

あと、前お客さんが「壊れかけのテープレコーダーズで一番好きなところは、メロディー」って言ってくれたことについて、考えています。
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2013/3/12 | 投稿者: komori

「踊り場から、ずっと / 羽があれば」という、壊れかけのテープレコーダーズの新しいシングルが、間もなく発売されます。もうライヴ会場の物販では売っていますが。3/13にdisk unionさん、JET SETさん、広島のFripp Musicさん、Sunrain Recordさん、中野のレコミンツ、高円寺の円盤さん、にて先行発売され、翌週20日はTOWER RECORDとかamazonとかでも。表題2曲に、ボーナストラックとして昨年のワンマンからの音源と、昨年末亡くなられたJIROXこと今井次郎さんとのアコースティックライヴの記録を収録した、全6曲入りです。最近めっきり見かけなくなったマキシシングルケース仕様で、可愛らしいです。1260円です。

表題の2曲は、バンドで演奏をし始めたのは昨年の夏くらいだけど、曲そのものは、2011年の3月以降に書かれました。2011年は自分にとって、あまり曲が生まれなかった年だったような気がします。気がするだけなのかもしれないけど。何も生み出せなかった。生み出す、創り出す、ことに関し、当方に暮れていたような、そんな記憶があります。それは今も引き摺っていることなのかもしれないけれど。どう考えたってやっぱりあの日3.11の出来事は、
僕等の世界の何かを変えてってしまった。誰もが何かを高らかに掲げ、謳った。謳った、と書きましょう。そう、それは「歌った」とはまた別種の何かでした。ことばは時に人を励まし、勇気付け、建設的な未来を示唆しました。その反面、ことばは欺瞞にも平然と用いられました。それは築き上げて来た時間を一瞬にして粉々に打ち砕く、津波のようなものですら時にはありました。

あれから2年経ちました。僕は取りあえず続けるということを今日も続けています。その過程でまたこうやって新しいレコードを作れてことを、とても光栄に思っております。


僕等に必要だったのはきっと「歌」であって、詩情だった。誰もが何かを謳っている、でもそれは彼等の自由ですし、私達の自由の姿でしょう。

ただ、僕はそこで何も言い出せなかった、羽を剥がれた天使のような人達に、これらの曲が届けばと思う所存です。

2011年夏頃、よく職場のある老朽化したビルの踊り場でバイトの休憩中に冷たい缶コーヒーを飲んでいました。建物で区切られた狭められた空を仰ぎ見ながら。よくそこでその年に入って今はもう辞めてしまった同僚の女の子と鉢合わせしました。その子は時折今でもライヴを観に来てくれます。だけど、もう出逢わなくなってしまった人も、沢山、いますね。生きていると。不思議なものです。こうして生きているのに。

個人的にはこれらの曲を聴いていると、
そんな情景を思い出します。



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2013/3/9 | 投稿者: komori

冬が幾ばくか遠のいた暖かな朝に包まれてたら感覚が冴えてきたので、今のうちに覚え書き。

深夜ピンクトカレフの練習で、大森さんが「感覚よりも思考の方が0.5秒遅い」ということを言っていました。それは僕もことあるごとに考えることで、それは阿部薫が散々こだわり続けた「速度」、瞬間を音に変換するスピード感のこと、そこに思考による分別が介入した時、それは、その分の遅延、故の身体の鈍化、音は、鈍るのです。

音楽における速度とは、BPM、じゃない。この感覚の純化したスピードのことかと。
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