この1月から七回千歳に飛びました。
1月3日に父が脳梗塞で入院しました。そして2月13日にリハビリ専用の病院に転院し、今必死にリハビリを続けています。
ついこの間千歳に行った時、父にある小冊子を 渡されました。
父が元気だった昨年初めに「くんだり」と言う同人誌に投稿したのが載った小冊子でした。
「軍隊生活の思い出」と言う題の父の昭和19年の徴兵検査から昭和20年の復員するまでの事を書いたものでした。
何故、息子の私に読ませたかったか(私用に一冊とってあった)は真意の程は判らないですが、読んでいてこの父の文章を五行歌で残してみよう!五行歌で詠んでみよう…とふと思いました。
戦争を知らない私が父の「こころ」をどれだけ五行歌で表現できるか判りませんが、のんびり連載・連歌的に詠んでみたいと思っております。 ご興味のある方は読んでみて下さい。なお、父の文章も借りて解説も随所に入れるつもりです。
昭和19年2月〜昭和20年3月
太平洋戦争が
窮迫…
一年繰上げの
徴兵検査で
背が低くても合格
希望の船舶通信兵に
なっていたら…
広島で放射能汚染
今生きている事に
感謝!
父は希望どおりの船舶通信兵にはなれず、東海にある部隊に入隊することになった。
村役場からの
入営のための
輸送通知書が届く
いよいよ
ふるさとを発つ
バスはなし
十里の徒歩で
近くの駅まで
今生の別れと
ふるさとを思う
焼夷弾の雨
逃げるしかない
下町が消失し
何万人ものが焼死した
東京大空襲
昭和20年3月東京大空襲があった。その3月末に父は由仁駅まで10里歩いて入営壮丁専用臨時列車に乗ったそうです。
病気で行けなかった
修学旅行…
初めての青函連絡船
津軽海峡は要塞地帯
窓の鎧戸が目を遮る
B29の偵察に
空襲警報発令…
列車が停車し
敵が近くなったと
武者震いの平付近
女学生の挺身隊員の
激烈の手振りに
輸送指揮官の
許しを得て
必死に手を振る水戸駅
同期の仲間
列車でできた
仲間が
次々と降り
別離を惜しむ
鎧戸の窓の隙間から見える東京の街中は見える限り一面の焼け野原だったそうです。部隊が違う仲間達が次々と降りていきその都度別れを惜しんだそうです。
知った者が
誰もいない
列車は
全員通信に
関係ある者ばかり
四日市加佐登に着き
整列して
点呼を受け
二列縦隊で
部隊へ行進
護国の柱になるため
死する道なのか?
我が国を勝利に導く
栄光の道なのか?
軍隊の営門を行進する
緊張し…
武者震いが止まらない
ただ…
只一心に
行進する
昭和20年4月1日〜
三重県四日市石薬師
第一気象大隊に入営
初年兵教育の始まり
三カ月前だと…
昭南島にて死んでいた
三カ月前に入隊した兵隊は南方要員だったため輸送船が昭南島(シンガポール)沖で撃沈され全滅だったそうです。
「貴様達は本土決戦要員だ!」
「すぐ役立つように
ビシビシ鍛えるぞ!」
一カ月半の
地獄の訓練が始まる
通信兵の兵器は
通信機だ!
帯剣より…
通信機が汚れたら
厳罰に…震える
小銃は
満足に装弾出来ない
粗悪品…
身を守る物なしで
通信機を守る毎日
真面目さと
経験者として
無線機操作が
教官から
誉められる
護身用に与えられた小銃は弾もろくに詰める事ができない小銃だったそうです。「お前たちの兵器は通信機だ!」と言われる位、帯剣が錆びるより通信機が汚れる方がキツい厳罰…それも全体責任と言う事で全員がビンタを張られたそうです。
「初年兵の・・・地獄?」
班長は軍曹
副班長は幹部候補生2名
助手は下士官2名
上等兵2名に古参兵がいる
軍隊の班・・・
古参兵の世話・・・
被服の手入れ・・・
編上靴・襟布の汚れ
ぼたん糸の緩みが
父の責任・・・
ばたん糸
緩んでいると
往復ビンタ
厳重に厳しい
古参兵の世話
古参兵の被服に
問題あれば
初年兵全員が
向かい合わせで
交互にビンタ・・・
夕食後・・・
初年兵の躾け時間
一寸した
欠点で扱きの原因
叩かれて時が過ぎる
初めの
印象で決る
「駄目な奴」
扱かれられるのは
いつも一緒・・・
何か、現代の問題のイジメやDV・・・そしてAC・DC・・・の世界と一緒のように思えます。
父の軍隊生活・・・
不寝番当番・・・
営舎出入り者の監視
営舎内の監視
頭熱患者等病人の看護
六人一組で三組で交代任務
食事当番・・・
中隊分を飯桶に入れ
担いで運ぶ
飯盒に
全員に盛り分ける
空襲警報発令・・・
営庭の蛸壺から見える
伊勢湾上空の
B29の
編隊
本土決戦の準備・・・
兵舎を撤去し
丘陵地帯に
半地下式兵舎を
建設する穴掘りの毎日
班付き下士官・・・
少年飛行兵出身の若者
初年兵
イジメに
奔放する
班付き下士官・・・
中隊付き軍曹に
挨拶せずに初年兵いじめ
軍曹の往復ビンタ受け
初年兵の胸がスーッとする
軍隊は・・・
古参が物言う世界
仮病あり
ずる休みあり
本当に日本は勝つのだろうか?
班付き上等兵・・・
兵隊上がりのため
親切に指導してくれる
唯一の
尊敬の上官
父が初年兵として東海にいた頃、戦争は・・・
「 1945.4 沖縄上陸戦
圧倒的な戦力で沖縄を包囲した連合軍は、猛烈な空爆と艦砲射撃を繰り返し18万もの軍を上陸させた。
日本陸軍10万の守備隊のうち、3分の1は現地の防衛隊や学徒兵など、臨時での補助兵だった。
米軍の圧倒的戦力の前に50日の戦闘の末、日本陸軍は4分の3を失い沖縄本島は南北に分断された。
分断後の戦闘は連合軍による残兵掃討戦に過ぎず、そんな中でひめゆり部隊など悲劇が繰り返された。
もはや日本軍に組織的抵抗は不可能であったが陸軍部は降伏を許さず無意味な犠牲を増やしていった。
陸軍司令部の壊滅により沖縄は降伏し、太平洋戦争最初で最後の地上戦は幕を閉じたが
本土決戦の時間稼ぎという非情な作戦のために沖縄住民に多大な被害を出した。
沖縄戦の戦死者は20万人以上、そのうち民間人の死者は10万人を超える悲惨な戦いだった。」
昭和20年5月〜
創隊記念日に
きんつば一個
少量のお酒で
お祝い…日頃の苦労を
一日だけ忘れられる
班付き古参兵か
他の班の嫌がらせ?
帽子を隠され
鉄帽をかぶり
一日中を過ごす
名前の縫い取り
取られた帽子が
枕元に投げてあるのを
見つける
上官全員に報告する半日
教官から
誉められる事から
始まる
古参兵からの
意地悪ないたずら
少年航空兵上がりの
班付き班長
小学生から
十八歳まで軍隊生活
世間知らずの人生
東京で
本土決戦に
待機する毎日
新しい無線機の
再教育…
連日の
空襲警報…
無線機を守って
蛸壺に非難する
毎日…
国鉄中央線の大空襲
東京駅の焼失…
黒い夜空一面の
B29の探照灯が
不気味な模様に…
高射砲弾が炸裂する
B29の遥か下…
焼夷弾が
頭上を横切って
雨のような火が降る